組織概要

ご挨拶

現代社会は、高度に情報化、複雑化、グローバル化が進行する反面、その高度化ゆえに様々なリスクを抱え、脆弱性が増しています。近年だけを見ても、新型コロナウイルス感染症による世界的な混乱、ロシアのウクライナ侵攻による食糧、資源、エネルギーの高騰、そして現在のイラン情勢を巡る石油化学製品等の供給の混乱に至るまで、世界のどこかで起こる紛争が、グローバル・サプライチェーンを混乱に陥れ、我々の暮らしを脅かします。そして人災か天災かを問わず、災害そのものが複合的なものになっています。令和6年能登半島地震の被災地では、追い打ちをかけるように記録的な豪雨に見舞われたうえに、復旧・復興に対して党派性を帯びた煽動的な言説がメディアやSNSを通じて被災地に浴びせられ、東日本大震災以降いわれ続けていた「情報災害」という言葉が改めてクローズアップされました。また、身近なところでは令和3年の熱海市伊豆山で発生した土石流災害においても、大雨という自然現象に加えて、無秩序な開発、違法な盛り土という人為的要因が被害を増大させた可能性が指摘されています。

このような社会において災害に対する強靭化を進めるためには、ものごとを短期的な「損益」のみで判断するのではなく、長期的な視点で「投資」や「保険」として捉え直す必要があります。そして同様に、我々の組織の使命である防災用品の普及促進を図るためには、防災用品を備えることが将来の損失を最小限に防ぐ長期的な「投資」、あるいは社会全体の「保険」として位置付けられることが重要です。

例えば現在のイラン情勢を巡る問題では、特定の国・地域や組織への過度な依存を減らし、複数の調達先や代替手段を確保すること、つまり投資でいうところのリスクの分散化が改めて問われています。これは災害時の協力体制や相互応援にも通ずることであり、また、物資や人員の調達に限らず、情報伝達にも当てはまります。各国の利害関係が交錯する国際紛争や情報が錯綜する災害時には、一次情報・発信元の信頼性の確認と同時に、特定の情報ソースのみを頼りにせず、複数のソースからの情報を入手し吟味することが情報災害の防止につながります。そして「想定外のことが起きるものだ」という前提に立った上で、そのリスクを「保険」として社会全体で、あるいは国際的に織り込んだ備えをすることが重要となります。

ここでもうひとつ重要な視点があります。それは、有事への備えが単に防災用品を揃えるだけでは不十分であり、「ルール」「ロール」「ツール」の三要素が揃って初めて「備え」となるということです。「ルール」とは、有事の際にどのような基準に則って、どのような行動を取るのか予め決めておくこと。「ロール」とは、そこで誰がどのような役割を担うのかを決めておくこと。そして「ツール」とは、それを遂行するための設備や装備です。これら三つの要素は相互に補完関係にあり、いずれかが欠ければいざという時に十分に機能しません。

東日本大震災以降、「自助・共助・公助」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。静岡県では1976年(昭和51年)に「東海地震説」が発表されて以降、公助だけでは大規模な災害に対応できないことを行政がいち早く表明し、家庭での対策の推奨や自主防災組織の育成などが進められました。災害対策は行政の旗振りだけでも個人の努力だけでも実現するものではなく、社会の様々な主体がそれぞれの役割を担うことによって初めて成り立ちます。行政は、研究機関と連携して災害リスクの評価や想定を行い、防災計画の策定や基準(つまりルール)を提示すると共に、防災教育の実施などを通じて社会の制度的枠組みを整備する役割を担っています。また、公的な支援体制や補助制度を通じて社会全体の「備え」を支える基盤を形成しています。

一方、個人は、自らの命とまわりの命を守るために防災知識を身につけ、有事の際の行動計画を立て、家屋の耐震化や家具の転倒防止、防災用品の備蓄などの対策を進めることが必要とされます。さらに地域社会においては、町内会や自治会などを中心とした自主防災組織の活動に参加し、地域防災計画の策定や共同備蓄、防災訓練などを通じて日頃から互いに協力し合うことが必要とされます。これら家庭や地域社会、さらには学校や職場といった様々な生活の場においても、「ルール・ロール・ツール」という視点から防災体制を整えることが重要となります。有事の行動基準や手順を定めた「ルール」、各主体が担う役割分担である「ロール」、そして実際に災害に対応するための設備や備蓄などの「ツール」を整備することで、災害発生時にも実効性のある対応が可能となるのです。

そして我々防災関連企業は、日頃から防災用品の開発・生産・流通を担うことで社会に必要な「ツール」を提供するとともに、有事にはその機能を可能な限り維持することが求められます。我々自身が関係する諸団体と協力しながら災害時の計画と体制を整備していくと共に、そこで利用されるより良い製品やサービスを開発し、提案し、普及させていく役割を担っています。

このように、我々の使命である防災用品の普及には、社会の様々な主体が互いに補完関係にあることを認識し、それぞれの役割に基づいた連携を推進することが必要です。今年度はこのようなに視点を踏まえた上で、備えを共にする行政や研究・教育機関、防災に関連する各種企業団体との連携を引き続き強化しながら、会員企業の提供する製品やサービスの発信、特にWEBやSNSを利用した発信を強化します。会員企業の皆様の付託と信頼に応えられるよう事業を展開して参りますので何卒ご理解とご協力の程、宜しくお願い致します。

2026年4月

静岡県防災用品普及促進協議会

会長  大石 佳彦

基本方針

本協議会は、会員間の相互協力と地域社会への貢献を基盤に、持続可能な防災活動の推進を目指します。会員同士の交流促進を図るとともに、昨今の防災用品ニーズを踏まえた活動の強化に取り組んでまいります。具体的には、次の方針を掲げて運営していきます。

  1. 産官学・地域間連携の推進による啓発、普及、相互支援体制構築
    静岡県をはじめ、市町、大学、研究・教育機関等の組織と連携を図りながら防災用品の開発や普及方法、地域間での体制構築の調査研究を行う。また、展示活動を積極的に展開し、防災用品の普及に努める。
  2. 会員相互の研修、交流の推進
    定例会等を通じた会員相互の交流を推進する。
  3. 組織の基盤強化
    下記を重点項目として組織基盤の強化を行う。
    (1) 規約・諸規定の整備とガバナンスの強化
    (2) 委員会活動による事業の活性化
    (3)事業の積極的な発信による 他団体との連携や会員増強活動の推進

歴代会長

※初代 会長 曽布川尚民 (2009/9/1~2012/3/31) 大学産業(株) 代表取締役社長
※第2代会長 青野 之彦 (2012/4/1~2014/3/31) (株)アオノ 代表取締役社長
※第3代会長 田村 政信 (2014/4/1~2016/3/31) (株)岡根谷 代表取締役社長
※第4代会長 大石 優司 (2016/4/1~2020/6/25) (有)大石製作所 代表取締役社長
※第5代会長 鈴木 達朗 (2020/6/26~2023-06/15) (株)魚藤 代表取締役社長
※第5代会長代行 曽根 靖之 (2023/6/16~2024/4/18) (株)暁電工 代表取締役
※第6代会長 曽根 靖之 (2024/4/19~2026/4/23) (株)暁電工 代表取締役
第7代会長 大石 佳彦(2026/4/24)~ 東遠ガス熔材株式会社 代表取締役社長

 

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